このコテージが建つ場所は国立公園で、すぐ隣には世界遺産に指定されたヤンバルの原生林があるところです。電気が来ていないところで、オーナーが8年前にカフェを開業しました。その電源を私が手がけたことがきっかけで、そこから60mくらい離れたところに、今回の自給自足コテージの設計をすることになりました。
最初はオーナーから、キャンプ場をやりたいから、トイレを設計して欲しい言われました。トイレが2〜3個とシャワー室。近所ならともかく、沖縄でそれでは、。そこで、こちらから、自給自足コテージの提案をしました。
すぐに基本設計をして、コンセプト作りました。オーナーは経済産業省から出ている事業再構築補助金を申請しました。2022年の春です。建築費の2/3が出るという補助金で、今時の時流に乗ったコンセプトが良かったことで、補助金が受けられることになり、工事がスタートしました。
送電線はここから4km離れたところまでしか、来ていませんので、他の建物はそこまでしかないのです。周りには森しかありません。
電源は太陽光パネルと日産リーフのバッテリーを組み替えたものを設置しています。バッテリー容量は40kwhで、発電無しで1週間使える容量です。
水は沢から引いており、使った水は浄化槽を通り、珊瑚の石の槽を通り、トイレの水に再利用しています。
再利用できない分は、蒸発槽で蒸発して処理しており、側溝や川へ排水を流すことはしていません。
すぐ隣には畑があり、野菜類は手に入ります。
そのうち、処理水でエビを飼う計画です。そうしたら、エネルギーと食料が自給出来ます。
沖縄では木造は少ないのです。シロアリ被害や台風被害がるので、コンクリート造りばかりです。ですが、今回は私が得意としている木造で設計しました。シロアリ対策は高床にすることで解決しました。台風対策は一部の壁をコンクリートにして強度を高めました。
8年前に開業したカフェはコンクリート打ち放しで、今回のコテージは木造で、この違いがよく分かります。オーナー曰く、木造って、こんなに冬が温かいし、夏も過ごしやすいとのこと、ヒノキの香りがこんなにも良いものだとは知らなかったそうで、大変満足してもらっています。